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Yousuke Inagaki

縄文時代 1 No.213 (歴史)

2006年11月28日(火)
縄文時代。おれが最も好きな時代だ。だが、この時代は平安時代や江戸時代(室町時代後期・桃山時代含む)に比べると注目されることが少ないように思う。なぜ平安・江戸と比べて、という言い方をするか?平安時代と江戸時代は日本を代表する時代として取りあげられることが多い時代だからだ。実際その通りなのだが。そう言われる所以はこの二つの時代が日本文化の熟成期だからである。海外文化との交流を断ち(断たれ)、島国という地理条件の中で文化は熟成される。日本の歴史を雑に概観すれば、海外文化の断絶(日本文化の熟成期)と海外文化の流入(海外文化の受容期)の繰り返しということがわかる。そしてこの熟成期は今までに三度。その一つが縄文時代である。
現代において、いわゆる「日本的」「雅」という価値基準は平安時代によるところが大きい。それ以前の縄文時代はその価値基準に合わないのだろう。だが先に述べたように、日本文化の熟成期としては最長の1万年という期間は、他の文化(海外含め)にはめったに見られない期間だといえる。さらに重要な点は、平安・江戸時代はそれ以前の海外文化流入を土台として、その後熟成期に入っている。これに対し縄文時代はそれ以前にあるのは旧石器時代であり、海外文化の影響を文化交流として受けたわけではない。つまり縄文時代の文化は日本のオリジナル要素が強いと考えられる。さらに言うなら、縄文時代は国家と仏教の影響を受けない時代だ。それは、その時代に生きた人間の生の感覚を観察するのに都合が良い。このような条件の上に形成された縄文時代は非常にエネルギッシュな造型感覚に彩られた時代だと思う。日本人の感覚が話題に登るとき、繊細、や、起用、と言われることは多い。裏返せば大胆さにかけるということでもあるだろう。だがこの時代の遺物を見ると、日本人が持つ造型感覚にすばらしい大胆さがあることを教えてくれる。(縄文人と、海外からの移住民ともいわれる弥生人、現在の日本人にどちらの影響力が強いかはここでは触れない。)


歴史 No.212 (歴史)

2006年11月24日(金)
大学に入学してからいままで、歴史の勉強もそこそこしてきた。なぜ歴史を学ぶか?日本画を描いてると日本画のアイデンティティーとはなんぞや という点にどうしてもぶつかる。これを考えるとき、現在の自分の絵からのみ考えてもいいだろう。そういうスタンスを否定しないし、自分自身そういう場合もある。が、おれは自分の絵からのみで自分の絵を位置付けるほど明快な仕事はできていない。過去の偉人たちとの共通点や相違点からなんとか自分の位置を模索する必要がある。それはあくまで二次的なものではある。自分の絵の完成や変化が先にあり、これを確認する判断材料という意味だ。まぁなんにせよ、その勉強してきた歴史なり、歴史から感じたことをそろそろまとめてもいいな、ということで日記にメモしていく。おれの日記を読んで下さってる方にはすでにおわかりのことと思うが、これは日記というより備忘録…、なので。('◇'*)

大まかな日本の歴史(美術史との関わりで見たときの)


        ↑旧石器時代
BC10000(12000年前)-------------
         縄文時代
BC300(2300年前)----------------
         弥生時代
AD300(1700年前)----------------
         古墳時代
AD538(1500年前)----------------仏教公伝
         飛鳥時代
AD662(1400年前)----------------天智元年
         白鳳(奈良)時代
AD710(1300年前)----------------平城京遷都
         天平時代
AD794(1200年前)----------------平安京遷都
         平安時代
AD1192(800年前)----------------鎌倉幕府成立
         鎌倉時代
AD1382(600年前)----------------南北朝合一
         室町時代
AD1573(400年前)----------------室町幕府滅亡
         桃山時代
AD1603(400年前)----------------江戸幕府成立
         江戸時代
AD1867(200年前)----------------大政奉還
         近代(明治・大正・昭和)
AD1945(60年前)-----------------第二次世界大戦、終戦
        ↓現代(昭和・平成)


火の鳥を… No.211 (日常)

2006年11月17日(金)
久しぶりに読んだ。火の鳥やブラックジャックの話しはきりがないので書かないけど、気になったのは文庫版火の鳥の「ヤマト・異形編」巻末の解説。竹宮恵子さんという漫画家によるものだった。
巻末の解説はわりと読む方だけど、この本の解説も面白い。面白いというか、共感できると言ったほうがいいのかな?竹宮さんの描く漫画のテーマが火の鳥とかぶることがあるらしいが、そもそも竹宮さんにとって手塚治虫はベーシックだと言っている。この感覚はよくわかる。マネということとはかなり違うし、もちろんひらきなおっているわけでもないだろう。絵においても、歴史を知れば知るほどそこに流れるベーシックが立ちはだかるし、完成されたと思うテーマにぶち当たることもある。そう思わせる作品なり歴史の流れなり、憧れやジレンマを抱きつつも何かを作ろうとする気持ち、なんだと思う。…たぶん。
それはそうと、どなたか竹宮恵子さんの「地球(テラ)へ…」という漫画、持ってませんか?(笑)

ちょっと前の話だけど No.210 (日常)

2006年11月16日(木)
いとこのピアノを聴きに行ってきた。そりゃぁもうすごく良かった。本人は納得いってないみたいだけど…(^_^;) 
絵をやってると、音楽をやってる人のすごさに畏れがあったりする。音楽は、なんといっても本番でミスはしたくないだろうから。絵は、何度も何度も失敗できる。失敗を重ねることが絵に意味を与えたりもする。そして、絵は納得いくまで描いたものを出せばいい。でもピアノとかは、いくら練習しても本番で同じものが出せるとは限らないだろう。練習に練習を重ねて、それでも失敗する恐れのあるものなんて、怖くて仕方ないじゃないか。一応受験のときはそういう緊張感を経験してきたけど、それがずっとってのは辛いな、と思う。…けど、絵もそういう覚悟でやんなきゃダメなんだろうとも思う。紙に墨だけで描く300年前の絵描き達には、まだそういう緊張感があっただろうから。だから、いとこにピアノを聴かせてもらうといつも身が引き締まる想いなのだ。

内田あぐり展 No.208 (日常)

2006年11月16日(木)
行ってきました、内田あぐりさんの個展。いい展示でした。平塚市美術館はじめて行ったけど、意外とデッケェ!あぐりさんの大作もゆったり展示できるスペースが。
内田あぐりさんは現在ムサビの教授。受験生のみなさんも行ってみてはどうでしょう。

また、同美術館内で山本丘人展もやってます。

内田あぐり展
・2006年10月14日〜12月3日
・平塚市美術館
・入場料 一般200円、大高生100円

にしても…こんなとこまできて大学の同級生に会うとは…(´Д`;)世界はせまいねェ

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